惑星incへの道 最終回

憧れの場所が現実に

前回のブログでお伝えした見学先が惑星incだったと後から知らされ、心に小さな希望の種が芽生えていました。あの日から2ヶ月間、表面上は今までと変わらない惑星KANでの日常を送っていましたが、どこか気持ちに変化がありました。

「いつか自由に暮らせる日が来るかもしれない」

—そんな密かな期待を胸に抱きながら過ごす日々。

毎日の生活の中で、あの見学で見た明るい空間や、温かく迎えてくれた人たちの笑顔が時々頭をよぎります。でも、それはまだ遠い未来のことだと思っていました。

突然の知らせ

ある穏やかな午後のこと。面会に来た母の表情には、何か特別なものを感じました。

「前に見学に行った惑星incへ来週移ります」

突然の知らせに、僕は言葉を失いました。

「え?急に??もう??」

驚きと喜びが入り混じる複雑な感情。

こんなに早く実現するなんて思ってもいなかったのです。胸の内側で沸き立つ期待と高揚感を抑えるのは難しかった。

ウルトラ母からは「今までお世話になったのだから、喜びすぎる気持ちを出しすぎるのはダメ」と諭されていたので、表面上は落ち着いた反応を心がけました。でも内心では、カレンダーの日付を数える毎日。あっという間に1週間が過ぎていきました。

新しい生活の始まり

引っ越しの日、大量の荷物と共に惑星incに到着しました。玄関では、見学の時に顔を合わせた2人の女性が温かい笑顔で出迎えてくれました。あの日から彼女たちも私のことを覚えていてくれたようで、少し緊張していた心がほぐれていくのを感じました。

建物に一歩足を踏み入れると、全てが新しく、清潔で、光に満ちていました。そして案内されたのは—私だけの部屋。惑星KANでは考えられなかった自分だけのプライベート空間です。

母は私のためにテレビやアレクサまで準備してくれていました。自分の趣味や好みで部屋を彩れることに、心が踊ります。窓から差し込む光が部屋中を明るく照らし、新しい生活への期待感を一層高めてくれました。

昨年の引っ越しを振り返って

建物内を改めて見学しながら、これからの生活に思いを馳せました。惑星KANでは制限されていた多くのことが、ここでは自由にできる。そう思うと、未来への可能性が広がっていくようでした。

もちろん、新しい環境での生活には不安もありました。新しいルール、新しい人間関係、新しい日常—全てが初めてのことばかり。でも、その不安以上に、僕の人生の新しいページを開く高揚感がありました。

あの日、新しい部屋で初めて過ごした夜。アレクサで音楽を聴きながらら、これからの日々に思いを馳せたことを今でも鮮明に覚えています。あれから1年、惑星incでの生活は僕に多くの変化と成長をもたらしてくれました。

おしまい。


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